エンジェル投資家は会社員よりも古い職業?歴史や名前の起源・由来をチェック!

この記事の執筆者 南研吾
この記事の執筆者 南研吾

「エンジェル投資家」は最近生まれた職業だと思っていませんか?
じつは、エンジェル投資家はサラリーマンよりも歴史がある職業だという説があります。
「エンジェルだなんて怪しい・・・」
と感じている方はぜひエンジェル投資家の歴史を知り、ちゃんとした職業であることをチェックしてください。

「エンジェル投資家」の起源は何?

まずはじめに、「エンジェル投資家」という言葉の起源から紹介します。
エンジェル投資家はわりと新しい職業のように感じますが、じつはかなり昔からある職業なのです。

起源は劇場のパトロン?

「パトロン」という言葉がありますよね。
パトロンには芸術やアーティストを支援する富裕層、のような意味があります。
この「パトロン」がエンジェル投資家の起源だと言われています。

イギリスには歴史のある劇場がたくさんあります。
劇場はパトロンによって支援されており、パトロンはただ資金を提供するだけでなく

  • 友人の富裕層に劇場への資金提供をよびかける
  • 劇場の役者たちに食事の世話をする

などの行為で援助をし、劇場の運営を手厚くサポートしました。
劇場の経営者や売れない役者からみたら天使のように見えたことでしょう。
いつからか、パトロンたちは「Angel(エンジェル、日本語だと「天使」という意味)」と呼ばれるようになった、という訳です。

つまり「エンジェル投資家」という言葉の由来は「天使」なのです。
天使くらい慈悲深い存在だった、ということですね。

南研吾
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日本には古くから「旦那(だんな)」や「タニマチ」という、パトロンに似たような言葉があります。「エンジェル」はこれらの言葉の欧米版というようなイメージですね。

エンジェル投資家は遅くとも1920年代には登場していた

イギリスで「エンジェル」という言葉が使われるようなったのがいつの時代からなのかは不明です。
けれど、アメリカのブロードウェイでは1920年代に「エンジェル」という言葉が登場しています[1]Sheltowee Angel Network:A BRIEF HISTORY OF ANGEL INVESTING

南研吾
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ブロードウェイの演劇(ステージ)を支援していたことから「ステージ・エンジェル」なんていう風に呼ばれていた、という説もあります[2]現代マネー:ソフトバンク、トヨタ、武田…高まる企業の「ベンチャー投資」リスク

だから遅くとも1920年代には「エンジェル投資家」と呼ばれる職業があったことになります。
イメージと違い、エンジェル投資家は意外と歴史がある職業なのですね。

コロンブスを援助したのもエンジェル投資家?

エンジェル投資家の歴史については、イギリス起源説以外にもさまざまな説があります。

なかには
「コロンブスの新大陸発見を支援したイザベル女王が世界初のエンジェル投資家だ」
という主張をする人もいます。
言ったもん勝ちの感はありますが、これが事実ならスケールの大きい話です。

ちなみに、イザベル女王がコロンブスの冒険を支援したのは1492年です[3]世界史の窓:コロンブス
このとき日本は明応(めいおう)元年、織田信長が生まれるのはこの42年後です。
もしイザベル女王が世界初のエンジェル投資家なら、この仕事は会社員よりも古く、伝統のある職業ということになります。

南研吾
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世界初の会社である東インド会社が設立されたのは1600年のことです。
だから会社員という職業が生まれたのは1600年以降です。

現在のような形になったのは1978年

エンジェル投資家の起源はかなり昔だということがわかりました。
では

  • 成功した企業経営者のようなお金持ちが
  • 設立されてまもないスタートアップ企業に投資する

このような行為が「エンジェル投資」と呼ばれるようになったのはいつからでしょうか?

答えは1978年です。
アメリカのニューハンプシャー大学教授ウィリアム・ウェッテルが創業まもない企業に投資する個人を
「エンジェル」
と呼びはじめたのがきっかけとされています。

このあと、エンジェル投資家の支援によってアメリカのIT産業は世界的な大成功を収めることになります。

歴史上有名なエンジェル投資の事例を紹介

ここで、過去に行われたエンジェル投資を振り返ってみましょう。
紹介するのは、エンジェル投資の歴史のなかでもとびきり有名なものばかりです。

発明王エジソンを支援したスペンサー・トラスク

「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」
という名言で有名なトーマス・エジソンは会社の経営者でもあります。

そのエジソンの会社(The Edison Electric Illuminating Co.)は1881年、企業経営者であり投資家でもあったスペンサー・トラスクのエンジェル投資を受けています。
その後エジソンとエジソンの会社は大成功し、さまざまな発明品で世界を豊かにしました。

もしスペンサー・トラスクによるエンジェル投資がなかったら、この世界に

  • 蓄音機
  • 白熱電球
  • 映写機

などの製品が登場するのが少し遅れていたかもしれません。

あのAmazonもエンジェル投資家から支援してもらった

次に紹介するのはAmazonです。
あのAmazonも創業して間もないころにエンジェル投資家たちから資金を集めています。

1994年、Amazon創業者のジェフ・ベゾスに説得され、20人ほどのエンジェル投資家がAmazonに約1億円の投資をしました。
この金額は当時のAmazonの株式の20%ほどだったそうです。
その後、Amazonは急成長します。

2021年現在、Amazonの時価総額は1.68兆ドル(日本円で約176兆円)です。
もし20人のエンジェル投資家たちが今も株を保有していたらどれくらいの金額になったのでしょうか?

初期のgoogleにエンジェル投資したジェフ・ベゾス

googleもエンジェル投資家からの援助を受けています。

1998年、googleはエンジェル投資家のアンディ・ベクトルシャイムから10万ドルを調達しています。
そして、そのすぐ後にAmazon創業者のジェフ・ベゾスなど4人からも合計100万ドルの資金を調達しています。
その後のgoogleの大成功は説明するまでもありませんね。

ここでは紹介しませんが、facebookも初期にエンジェル投資家から資金を調達しています。
つまり、アメリカでは有望企業がエンジェル投資家から資金を集めるのは普通のことなのです。

日本のエンジェル投資家事情

ここまで海外の話ばかりでしたので、日本のエンジェル投資の状況についてもふれます。

2000年前後、日本でもたくさんのベンチャー企業が誕生しました。
この頃から
「これからはインターネットの時代だ」
ということで、起業家などによるエンジェル投資が日本でも行われています。

ただ、残念なことに

  • インターネット業界の起業家・元起業家
  • VC(ベンチャーキャピタル)・元VC

などのようなインターネット業界の人によるエンジェル投資が目立ちました。
インターネット業界と何のつながりもない個人のサラリーマン投資家の出番はほぼゼロだったのです。

この状況が変わったのは2015年です。

株式投資型クラウドファンディングの登場

2015年5月、金融商品取引法という法律が改正されました。
これにより、普通のサラリーマンでもエンジェル投資ができるようになりました。
「株式投資型クラウドファンディング」というサービスを利用すれば、誰でもエンジェル投資ができるようになったのです。

日本初の株式投資型クラウドファンディングは、日本クラウドキャピタルによって運営されている
FUNDINNO(ファンディーノ)
です。
もちろんファンディーノは今でも人気があり、日本で最も人気のある株式投資型クラウドファンディングとなっています。

エンジェル投資の人気は急上昇中

2017年にファンディーノが始まると、たくさんの個人投資家がどんどん口座開設を申し込みました。

その当時、SNSでは
「ファンディーノの口座開設の審査に落ちた・・・」
「ファンディーノで口座作れた!」
などの投稿であふれていたものです。
誰でもエンジェル投資家になれる株式投資型クラウドファンディングは、それくらい注目されていたのです。

いまではファンディーノ以外にも

などのサービスがあり、エンジェル投資家になれるサービスは増えています。

今は誰でもエンジェル投資家になれる時代

ここまで、エンジェル投資家の歴史を説明してきました。

歴史をみてもわかるように、エンジェル投資や株式型クラウドファンディングは怪しいものではありません。
将来有望な会社を支援するだけでなく、社会的な貢献もできる投資活動です。
政府(金融庁)も規制緩和を検討するなど、株式投資型クラウドファンディングについては積極的な姿勢です[4]日本経済新聞:投資型クラウドファンディング、発行額の規制緩和案

今はだれでもエンジェル投資家になれる時代です。
企業を支援し、その結果として社会の発展に貢献したい。
こんな風に思っている、意義のある投資をしたい人はぜひエンジェル投資家になり、たくさんの企業をサポートしてあげてください。

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